略して「特養」を退所した今、改めてこの施設の価値への疑問を書いておく。
ただし、もはや退所となったのであるし、この施設への未練はない。
それでも、説明会では「安らぎと癒しの場」であるという、歯の浮く言葉を聞いた。嘱託医は「終のすみかです」とも言った。
現実は老親を生涯託せる施設ではなかった。

言っても仕方ないと承知で特養の理想の一つを書く。
特養は老人ホームと病院の二つを併せ持つ施設であることが望ましい。
容態に変化が出たら、わざわざ入院することなく、個室は即座に病室と化す。
そのために何より改革せねばならないのは、個人開業医の副業的な嘱託制度の全廃と、それに代わる施設専属勤務医の配置である。

特養には看護婦が勤務している。看護婦は他の医院に勤めながらついでに特養に雇用されているわけではない。
嘱託医が最も問題なのだ。こんなアルバイト程度の医師ではダメだ。

例えば、これも書くだけ空しいが、母の場合、点滴で熱が下がったら、介護体制に戻し、様子をみる。介護と医療がセットになっていて初めて、家族の安心度も増す。
小康を確認したら、車椅子への移乗も出来る。

特養に過ごす年寄は、ある程度体調良好で、食欲があり、歩行などに障害がある元気な身体の持ち主ばかりである。母のように衰弱したら、結局入院退所という結果となるだけの、一時しのぎの場所が特養なのである。

お母さん、耐えるばかりの生活をさせ続けて、堪忍してね。

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