ここは、盟友たかはしさんにも知られていない場所である。
たかはしさんとは、パソコン交流始まってまもなく、義絶必至の出来事があった。

一度には書けないかも知れないから、その時は不定期も視野に入れて、連載する。
ところで、やはり本物の日記帳をつけていて良かった。
パソコンをいつ買ったかがどうやらわかったのである。

2001年、平成13年に買ったようだとわかった。ただし、はっきりした記録はないが、日記を読み返した結果の判断である。
このころ私はまだパソコンを利用しての交流のさじ加減がわからず、いろいろなサイトの掲示板を訪問した。

最も仰天したサイトがあった。記してみる。
膠原病という難病がある。ここを訪れた。
ここに集う人々ほどではないものの、私も神経症を早くから患って、まともなサラリーマン生活への自信がない大人となった。

このサイトにデビューしてしばらくは、私はまずまず歓迎された。
そこで皆の気をほぐすつもりで、実は楽天日記に登場させている仮名・夕子とのことを本人と相談した上で、書き込んだ。

つまり、私は楽天日記では、おととし暮れ近くに再会したことにしてあるが、あれも夕子と話し合った結果の創作であり、彼女とは、離婚後もたまに会っていた。

ウマが合うというのだろう。
さて、夕子と協議の結果、これならよしと文案が決まったところで、書き込みした。

長文なのでかいつまんで書く。なお、書き込み本文では夕子の提案で私たちは夫婦ということにしている。
「女房の悪口書けるのも、我が女房の悪口なれば、誹謗中傷なんでもオッケー。
家内めは、昭和初期に生まれる予定を間違ったんじゃないかと思うほど、偏屈者です。

家内にもあいさつさせたいところ、傲岸不遜、大胆不敵、傍若無人なる大無礼のため、私までが連座して、退出の運命となること必定です」

以上、書き込み文の順番も変えたが、主旨は原文を損なっていない。
これに対して、えどべりと名乗る京都の女が、しかも真っ赤な文字で、ところどころサイズを巨大にしてまで、凄まじい攻撃のレスを返した。

「ホーネットさん、少しおっしゃることに問題があるように思います。ここにカキコされるのは結構ですし、内容も自由ではあります。
しかし、ここは膠原病サイトであって、家族であったとしても、誹謗中傷(この文字巨大なり)の場ではありません。

見ている方でどれだけ気分を害される方がいらっしゃることか。
すでにオペレーターの元には苦情が来ています。
これ以上当サイトで他の方が気分を害されるようなカキコをされた場合は、オペレーターとしてしかるべき処置をとらせていただくことになりますので、ご容赦ください。2002年09月12日 23時43分15秒」

これを見て驚いたのはむしろ夕子だった。
彼女は声を上げて泣いた。無理も無い。文案は彼女が皆に楽しんでもらおうとの意思で、懸命に考えたものだったからだ。
「私があなたの妻も同然の間柄だから、これを一種の、のろけ話として、盛り上がるかとばかり期待していたのに・・」

夕子はそう言ってはまた泣いた。
私は好意がアダになってしまった彼女がふびんで、思い切り抱きしめた。
彼女もきつく私にしがみついて泣き続けた。

しばらくして私は言った。
「夕子。悪いことしちまった。ごめん。でもね、お前のせいじゃない。
あいつらは、難病を武器にして、思い上がっている。甘えてもいる。
これからは、俺も病気を武器にするような甘ったれは許さぬ。
いいか。くどいけど、お前が外柔内剛の優しい女ということは誰よりも、俺が一番知っている。

今夜はつらいだろうけど、な、酒でも飲んで憂さ晴らししろよ。俺は余り飲めないけど、カンビールぐらい付き合うぞ。
それからな、俺はもう少しパソコンとやらをやってみるがな、お前のいわれなき屈辱の万分の一でも晴らすために、今後俺の書き込みにかみついて来るバカがいたら、決闘覚悟で臨んでやる」

この一件があって以来、夕子はパソコンをしばらくやめてしまった。
すでに何百項目に及ぶ技術を身につけて、見事な装飾の自分のホームページも立ち上げていて、私との交際は隠し、その美形の胸像写真も掲載していたから、多くの男の常連が書き込みに集まったが、このサイトも閉鎖し、ずっとサイト立ち上げはしなかった。

去年押し詰まった頃、ようやく形ばかり楽天日記を開設したのには、こんな事情があった。
私は夕子のために、パソコンサイトに巣食う多くのバカどもにケンカを売る計画で、同年九月終わりごろ、たかはしさん主宰の「懐かし掲示板」を見つけ、ここにデビューした。

話が前後するが、膠原病サイトに行く前、あるバイクツーリングクラブにいた。だが、「実は私は徒党を組むツーリングは嫌いです」と書いたとたんに、追い出しを食った。
これにはわけがあり、当時バイク趣味で知り合ったある男が、仲間とのトラブルで、やや気落ちしていたのに感じて、慰めるつもりが、筆がすべったのだった。

それにしても、掲示板とは、居心地の悪いところばかりだった。
特にツーリング嫌いと書いただけで、総スカンを食わす奴らの心の狭さにがっかりした。

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